0が何を意味するか
摂氏は水が凍る点を0、沸く点を100とした目盛りです。華氏は別の基準で作られ、水は32度で凍り212度で沸きます。どちらの目盛りでも0は「温度がない状態」ではなく、ただの目盛り上の一点です。ですから20度が10度の2倍暑い、という言い方は成り立ちません。摂氏の名はスウェーデンの天文学者セルシウスから、華氏はドイツ出身の物理学者ファーレンハイトから来ています。セルシウスの最初の目盛りは今とは逆で、水が沸く点を0としていましたが、のちに反転されました。
温度は掛け算だけでは変換できません。摂氏・華氏・ケルビンがゼロをどこに置いたか、変換式と暗算での目安、温度差を換算するときの違い、よくある間違いをまとめました。
摂氏は水が凍る点を0、沸く点を100とした目盛りです。華氏は別の基準で作られ、水は32度で凍り212度で沸きます。どちらの目盛りでも0は「温度がない状態」ではなく、ただの目盛り上の一点です。ですから20度が10度の2倍暑い、という言い方は成り立ちません。摂氏の名はスウェーデンの天文学者セルシウスから、華氏はドイツ出身の物理学者ファーレンハイトから来ています。セルシウスの最初の目盛りは今とは逆で、水が沸く点を0としていましたが、のちに反転されました。
ケルビンは0を、分子の運動が止まる絶対零度に置きます。0が本当に無いことを意味するので、200Kは100Kの2倍だと言えます。目盛りの間隔は摂氏と同じなので、摂氏に273.15を足せばケルビンになります。科学でケルビンを使うのはこの性質のためです。2019年からケルビンはボルツマン定数の値を固定する形で定義され、特定の物質の状態に頼らなくなりました。ケルビンには「度」を付けず、何ケルビンと読みます。
引く順番と割る順番を取り違えると値が大きくずれます。基準点を先に合わせ、次に目盛りの間隔を合わせる、という順で考えると混乱しません。1.8の代わりに9/5を使っても同じ値です。体温37度は華氏98.6度、絶対零度は華氏−459.67度です。
正確でなくてよい場面では、華氏から30を引いて2で割ると摂氏に近くなります。華氏70度ならおよそ摂氏20度、華氏90度ならおよそ摂氏30度です。逆に摂氏を2倍して30を足せば、おおよその華氏になります。天気予報を見るにはこの程度で十分です。ただしこの概算は、気温が高いほど、また低いほどずれが大きくなります。華氏0度は概算では−15度ですが、実際には約−17.8度です。
温度そのものと温度の差では、変換の方法が違います。気温が5度上がったという差を華氏に直すには、32を足してはいけません。1.8を掛けるだけです。基準点はすでに打ち消されているからです。冷暖房の設定のように差を扱う計算でよく間違えるところです。同じ理由で、ケルビンの差と摂氏の差は数字が同じです。温度差10Kは摂氏でも10度で、科学の文献では温度差をケルビンで書くことが多くあります。
毎回公式を当てはめなくても、いくつかの組を知っていればたいていの温度をすぐに見積もれます。華氏が10度上がるごとに摂氏では約5.6度上がることも覚えておくと、間の値を埋めやすくなります。
ほとんどの国は天気予報や生活で摂氏を使います。アメリカは日常で主に華氏を使うので、アメリカのレシピのオーブン温度やアメリカの天気予報を見るときは変換が必要です。オーブンの350°Fは約177°Cで、ふつうは180度に合わせます。科学や工学ではケルビンが基本で、照明の色温度のように日常でもケルビンが登場します。6500Kといった照明の表示は、温度というより光の色合いを表す値です。
温度変換の間違いは、いくつかの型にほぼまとまります。計算の前に次の項目を一度思い出せば、たいていは避けられます。とくに体温や調理の温度のように数度の差が大事な場面では、概算ではなく公式で正確に計算するほうが安心です。